こどもの頭痛、専⾨医が丁寧に診察します
⼩児頭痛外来開設のお知らせ(2024年4月~)
近年、こどもの頭痛患者数は増加傾向にあります。特に、⽚頭痛や緊張型頭痛などの慢性頭痛が増えていると⾔われています。
しかし頭痛はなかなか周囲につらさを理解してもらえない症状でもあります。特にこどもの場合、⾃分の頭痛のことを頑張って伝えても、相⼿にわかってもらえなかったり、対応してもらえなかったりすると、ひとりぼっちで我慢をしたり、きもちの問題なのかな..と⾃分を責めてしまったりすることさえあります。
またお⽗さんやお⺟さんも、こどもが「頭が痛い」と⾔うけれどどうしたらいいのかわからない、と困っておられるかもしれません。またせっかく病院を受診しても、画像検査に異常がないことで診療が終了となってしまうケースも聞かれます。
こどもの頭痛診療はそこからが本当のスタートです。当院では、頭痛に悩む⼦どもたちとそのご家族のために、⼩児頭痛外来を開設します。⽇本頭痛学会認定専⾨医の資格を持つ⼩児科医が、お⼦様の頭痛の原因を丁寧に診断し、適切な治療を提供します。
⼦どもたちの頭痛の現状
⼩学⽣の約10%、中学⽣の約20%が頭痛を訴えていると⾔われています。本邦の保健室における全国調査では、頭痛は⼩学⽣の保健室利⽤の第2位、中⾼⽣では第1位になっています。
⽚頭痛の有病率だけをみても、⼩学⽣の約3.5%、中学⽣の約5%との報告があり、近年はそれ以上ではないかとの学会報告も相次いでいます。
頭痛のために学校を休まざるを得ないこどもも少なくありません。
頭痛のせいで集中⼒が低下し、学習に⽀障をきたすこともあります。
頭痛の種類
国際頭痛分類でみてみると頭痛には実に300以上もの種類があり、複数の頭痛が混在している場合もあります。
頭痛は⼤きく2つに分けられます
⼀次性頭痛
頭痛⾃体が病気で、命に関わらないもの(⽚頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など)
⼆次性頭痛
他の病気が原因で起こる頭痛で、命に関わる場合があるもの(くも膜下出⾎、脳出⾎、髄膜炎、脳炎、脳腫瘍など)
当外来では主に⼀次性頭痛・慢性頭痛を中⼼に診療します。
特に⽚頭痛については、近年の研究で早期治療が慢性化を防ぐことも報告されています。成⻑期で⼤切な時期を過ごしているこどもたちの⽚頭痛は、できるだけ早く診断と治療につなげたい疾患の⼀つです。
⼦どもたちの頭痛、⼤⼈とは違う?
⼦どもたちの頭痛は、⼤⼈の頭痛とは異なる特徴があります。
頭痛の性状や特徴、頭痛の原因や共存症、治療法も⼤⼈とは異なっている部分があります。
⽚頭痛ってどんなもの?
頭の⽚側あるいは両側の拍動性の痛みで、4〜72 時間(⼩児では 2〜72 時間)持続します。「暗くて静かな部屋で、じっと寝込みたくなるような頭痛」(光・⾳過敏がある、⽀障度が 中等度〜重度)なのが特徴的です。吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
⼈によっては頭痛が始まる前に前兆(物が⾒えにくくなる、視野の周辺がキラキラするなど)を感じることもあります。
⽚頭痛の場合、発作が治まるとケロッと元気な状態に戻れることも多いのですが、頭痛の回数や⽇数が多くなってくると、⽣活への⽀障や、頭痛を理解してもらえない⾟さ、⾃尊⼼の低下やスティグマなどにもつながってしまいます。
治療について
- こどもの頭痛は⽣活指導や認知⾏動療法など、⾮薬物的な対応がまず優先されます。⽣活習慣や頭痛の誘因などを客観的に⾒直してみるだけでも頭痛がかなり軽減する場合があります。頭痛のために登園や登校が困難になっているなど、頭痛以外で困っていることのお話も可能な限り伺います。
- お⼦さんご⾃⾝で頭痛ダイアリーの記録や分析ができるようサポートします。
- 治療に必要と判断される場合はお薬をご提案することがあります。⽇本頭痛学会・⽇本神経学会による「頭痛の診療ガイドライン」に準じた治療を⾏います。⼩児で使⽤可能な予防 薬のご相談にも応じます。
- 副⿐腔炎や髄膜炎など感染症に伴う頭痛、⾼⾎圧、脳脊髄液減少症など、⼆次性頭痛が考えられるケースでは、必要に応じて他の病院や診療科とも連携を⾏います。
頭痛診療のパラダイムシフト
近年、頭痛診療のパラダイムシフトが起こっています。
従来の「頭痛は薬で抑える」という考え⽅から、「頭痛の原因を特定し、根本から治療・予防をする」という考え⽅に変わってきています。特に⽚頭痛の領域では、病態に合った新しい治療薬が次々と上市されており、⼩児への適応も進められつつあります。最新の情報提供を⾏いながら、SDM(Shared Decision Making=患者さんと医師が協⼒して治療⽅針を考えていくアプローチ)を原則に診療を進めていきます。
頭痛は決して我慢するものではありません
こどもの頭痛も、適切な治療で改善することが期待できます。頭痛でお悩みのお⼦様がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
〜完全予約制で実施〜
担当医師:井澗茎子
(この時間帯は感染症などの⼀般診療は⾏っておりません)
- 初診は原則15歳(中学3年⽣)まで
尚、お⼦様のご家族ですでに⽚頭痛などの診断を受けておられる⽅の場合は、お⼦様と⼀緒に診療や処⽅が可能な場合もあります。初診の際に医師へご相談ください。 - 頭痛ダイアリー・頭痛問診
⾃分の頭痛を知ること、頭痛の記録をつけること、これは頭痛診療の第⼀歩です。初診の際には、あらかじめ以下の2つの準備をお願いします。
- 問診
- WEB問診
- 頭痛ダイアリー
- 以下からダウンロードし、印刷して記⼊してください。
日本頭痛学会『頭痛ダイアリー』
※プリントアウトが難しい場合は、お⼦さんご⾃⾝が記載したメモや、スマホアプリでの 記録でも⼤丈夫です。できれば1〜6ヶ⽉間分、記録をご持参ください。
- 頭痛の鑑別診断のために⾎液検査や頭部画像検査(MRI 等)、脳波検査などが必要な場合があります。クリニックではMRIや脳波検査は実施できませんので、別途他院での検査をご紹介します。すでに他院で検査を受けられたことがある場合は結果をお持ちいただける とスムーズです。
- かかりつけの先⽣にすでに診ていただいている場合は、紹介状を頂けますと幸いです。
- 交通アクセス -
お車で来院される方
西宮市の臨港線沿いにあるコープ西宮南店の3階にあります。コープ無料駐車場多数あり。雨に濡れずに来院できます。
【臨港線ご利用の神戸・芦屋方面から来院される方へ】
当院前(コープ西宮南店前)は臨港線からの右折ができない為、西方面(神戸・芦屋方面)からお車でご来院の方は札場筋線か用海筋で右折いただいて福祉センター筋にでていただき、迂回していただきますようお願い致します。
電車で来院される方
- 阪神今津駅(阪急今津駅)から徒歩15分
- 阪神西宮駅→阪神バス(阪神西宮南口バス停)なら西宮浜手線(浜松原町→泉町方面) 浜松原町バス停(約8分)下車すぐ
- 西宮浜線 交通公園前バス停(約4分)下車後東向きに徒歩7分
- 阪神西宮→阪急バス(西宮市役所前(阪神西宮東口バス停))
24系統朝霧町行き 浜松原町バス停(約7分)下車すぐ
阪神西宮駅・今津駅から来院される方は平坦ではございますが、少々距離がございます。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。
阪神電車+バスで来院される方
▼QRコードからもご覧いただけます
開業を考えていた時にコープ神戸様からこちらの医療モールのお話をいただきました。
コープ神戸様は元々子育てや食物アレルギーに非常に理解のあるスーパーマーケットです。
私が開業を思い立った時から思い描いていた、隣にアレルギー対応のケーキ屋さんを誘致することやアレルギーや小児科の講習会を行うことなどを全て受け入れていただきました。
コープ神戸様と一緒なら当院の目標である「医療を通して子育てを応援する」「アレルギー患者さんをアレルギーのない人と同じように過ごせる世の中にするため力を尽くす」ことが出来ると考えここに開業することに致しました。駅から遠いため、電車でご来院の方(特に以前の病院で私が診療させていただいていた患者様)にはご迷惑をおかけしますが、少しでもご理解いただけるとありがたいです。